僕が18歳くらいの時かな?
ダラダラ家で過ごしてたから、たまには外にでも出かけるかーって。
免許も取り立てだったんでね、浮き足立ってたんだと思います。
不慣れな手つきでエンジン掛けて、ボロい軽で出かけたんですわ。
でも全然計画立ててなくてね、何も考えんとずっと走ってたんです。
そんで二時間くらい経ったのかな?気づいたら全く知らん場所にいたんです。
自分の家もなかなか田舎なんですが、そこは田舎というかもう山の麓って感じで、
一軒家とかはあるんです、でも不思議と人の気配がしないんですよね。
まぁでも田舎ってそういうもんかーとか思いながらテキトーな場所に車を停めました。
そこらへんでぼーっと山を見つめてたんです。そしたらなんか生い茂ってる木々の間に隙間があるんです。しかも地面には石とか敷かれてて『小道』になってたんですよね。
あっ完全に人の手が加えられてると思った僕はその小道に足を踏みいれたんですよ。
そしたら急に、喉が渇き始めました。
たしかに運転してから水分取ってなかったなーって思ったんです。でも何だかおかしいんですよ。まるで喉の内部から水分を奪われているような、そんな感覚がしたんです。
ヤバいなんか早く飲まないとって思って。でも車で見てきた限りここら一帯にはコンビニも自販機も無いんですよね。まぁでも仕方ないか、用水路の水飲むわけにはいかないし、とか思いながら車でさっさと水分補給しに行こうと思ったんです。
そしたらさっきの小道から鈴の音がしたんです。
すぐにわかりました。神社のお参りするときの鈴の音です。
この小道の奥には神社がある。神社には水道設備があるはず。
そう思った僕は導かれるように小道の奥へと進んでいきました。
奥にはやはり神社がありました。鳥居に参道。狛犬なんかもありました。
そう、おかしいんですよ。あまりにも綺麗すぎるんです。鳥居は色はけはなく、今建てたのかと思うくらいに。人が毎日整備できるはずもない。こんな辺鄙な田舎神社には似つかわしくない美しさなんです。気付くと僕は喉を掻きむしっていました。あまりにも喉が渇きにそんなことをしていました。僕はこの神社の特異さを忘れ、すぐさま手水舎を探しました。
すると狛犬の脇に手水舎がありました。僕は無我夢中で向かいました。
ですがそこには乾いた手水舎がありました。水は一滴もありません。
僕は崩れ落ちました。今すぐ水を飲まなければいけない。それなのに。
『喉が渇いたのかい?』
声がした方を向きました。拝殿へと続く階段の一段目におばあちゃんが座っていました。
さっきは居なかったよな?
神社の関係者、ではない風貌の普通のおばあちゃん。
そうか、小道に入る前に聞いた鈴の音はこの人が鳴らしていたのか。
僕はすぐに首を縦に何度も振りました。声も出せないくらいに喉が渇いていたんです。
するとおばあちゃんはニッコリと笑いながら手持ちのバックに手を入れると、そこから一本のジュースを取り出しました。そして『これ良かったら飲んで』と僕に差し出しました。見たこともない柄の缶ジュース。僕は一心不乱でそのジュースを飲みました。
不思議な味でした。りんご、ブドウ、パイナップル、なんでもないよくわからない味。でも何故かクセになるような味なんです。その味に魅了しかけたその時に缶ジュースはカラになりました。『美味しかったかい?良かったねぇ』おばあちゃんはさっきの笑顔で僕にそう声をかけます。『ありがとうございました、ほんとに助かりました。』『クガイダ様の導きだねぇ、今日一日は足の小指に触るんじゃないよ?』『?はい、あの』なにかお礼を、そう声をかけようとした瞬間、急に突風が吹きつけました。ほんの数秒目を閉じました。目を開けた時にはおばあちゃんは居なくなっていました。神社に1人。急に寒気がしました。風に当てられたからではない初めての感覚。なにか異常なことに足を踏み入れてしまったのではないか、そんな気がしました。急いで神社から出ました。最初の田舎道に。僕のボロい軽が目に入ります。なにかおかしいんです。少し遠出して田舎の神社に入っておばあちゃんから缶ジュースをもらった、ただそれだけのことなのに。異常な感覚。ふと右手に持った缶ジュースに意識が行きます。この缶ジュースもおかしいんです。不気味なデザインで何故か商品名が記載されていないんですよ。すると後ろに記載がありました。どんな商品にでもある原材料名とか賞味期限とか書かれたある欄。使っている材料もブドウ糖果糖とか普通。賞味期限とかも来週まである。でも栄養成分を見た瞬間
ぼくは驚愕しました。
100ml当たり 1723kcal
いや、カロリーバケモンやんって。めっっちゃ太るやん最悪ぅってなって。
そんで靴と靴下脱いで足の小指触ったら、僕血ぃ吐いて死にました。
おっぱいおっぱい。おっぱいの二乗。